Zend_Config_Xml を使用すると、シンプルな XML
形式で保存した設定データを、オブジェクトのプロパティとして扱えるようになります。
XML のルート要素は設定には関係しないので、任意の名前がつけられます。
その直下のレベルの XML 要素が設定データのセクションに対応します。
セクションレベルの要素の下に XML 要素を配置することで、
階層構造をサポートします。
末端レベルの XML 要素が設定データの値に対応します。
セクションの継承は、XML の属性 extends
でサポートされます。この属性の値が、
データを継承しているセクション名を表します。
![]() |
返り値の型 |
|---|---|
|
例 5.3. Zend_Config_Xml の使用法
この例は、Zend_Config_Xml を使用して
XML ファイルから設定データを読み込むための基本的な方法を説明するものです。
この例では、運用環境の設定と開発環境の設定を両方管理しています。
開発環境用の設定データは運用環境用のものと非常に似ているので、
開発環境用のセクションは運用環境用のセクションを継承させています。
今回の場合なら、逆に運用環境用のセクションを開発環境用のものから継承させてもいいでしょう。
そうしたからといって特に状況が複雑になるわけではありません。
ここでは、次のような内容の設定データが
/path/to/config.xml に存在するものとします。
<?xml version="1.0"?>
<configdata>
<production>
<webhost>www.example.com</webhost>
<database>
<type>pdo_mysql</type>
<host>db.example.com</host>
<username>dbuser</username>
<password>secret</password>
<name>dbname</name>
</database>
</production>
<staging extends="production">
<database>
<host>dev.example.com</host>
<username>devuser</username>
<password>devsecret</password>
</database>
</staging>
</configdata>
次に、開発者が開発環境用の設定データを XML ファイルから読み込むことを考えます。 これは簡単なことで、単に XML ファイルとセクションを指定するだけです。
<?php
require_once 'Zend/Config/Xml.php';
$config = new Zend_Config_Xml('/path/to/config.xml', 'staging');
echo $config->database->host; // "dev.example.com" と出力します
echo $config->database->name; // "dbname" と出力します