Zend_Rest_Client の使用法は、
SoapClient オブジェクト (SOAP ウェブサービス拡張モジュール)
の使用法と非常によく似ています。REST サービスのプロシージャは、簡単に
Zend_Rest_Client のメソッドとしてコールすることができます。
まず、そのサービスのアドレスを Zend_Rest_Client のコンストラクタに指定します。
例 26.1. 基本的な REST リクエスト
<?php
/**
* framework.zend.com サーバに接続し、挨拶を受け取ります
*/
require_once 'Zend/Rest/Client.php';
$client = new Zend_Rest_Client('http://framework.zend.com/rest');
echo $client->sayHello('Davey', 'Day')->get(); // "Hello Davey, Good Day"
?>
![]() |
コール方法の違い |
|---|---|
|
<?php
$client->sayHello('Davey', 'Day');
echo $client->get();
?>
|
Zend_Rest_Client を使用して行ったリクエストは、すべて
Zend_Rest_Client_Response オブジェクトを返します。
このオブジェクトには多くのプロパティがあり、結果に簡単にアクセスすることができます。
Zend_Rest_Server に基づくサービスにアクセスした場合には、
Zend_Rest_Client は結果についていくつかの前提条件を想定しています。
たとえばレスポンスステータス (成功あるいは失敗) や返り値の型などです。
例 26.2. レスポンスステータス
<?php
$result = $client->sayHello('Davey', 'Day')->get();
if ($result->isSuccess()) {
echo $result; // "Hello Davey, Good Day"
}
?>
上の例で、リクエストの結果をオブジェクトとして扱い、
isSuccess() をコールしていることがごらんいただけるでしょう。
また、__toString() をサポートしているため、
単に echo とするだけでオブジェクトの結果を取得できます。
Zend_Rest_Client_Response は、任意のスカラー値を
echo することが可能です。複雑な形式の場合は、
配列記法あるいはオブジェクト記法が使用できます。
しかし、Zend_Rest_Server
を使用していないサービスに問い合わせたいこともあるでしょう。このような場合、
Zend_Rest_Client_Response オブジェクトは
SimpleXMLElement と同様の振る舞いをします。
しかし、より簡単に処理するため、プロパティがルート要素の直下にない場合には
自動的に XPath で XML を探すようにしています。さらに、
プロパティに対してメソッドとしてアクセスすると、
PHP の値あるいは値の配列としてそのオブジェクトを取得できます。
例 26.3. Technorati の Rest サービスの使用
<?php
require_once 'Zend/Rest/Client.php';
$technorati = new Zend_Rest_Client('http://api.technorati.com/bloginfo');
$technorati->key($key);
$technorati->url('http://pixelated-dreams.com');
$result = $technorati->get();
echo $result->firstname() .' '. $result->lastname();
?>
例 26.4. Technorati からのレスポンスの例
<?xml version="1.0" encoding="utf-8"?>
<!-- generator="Technorati API version 1.0 /bloginfo" -->
<!DOCTYPE tapi PUBLIC "-//Technorati, Inc.//DTD TAPI 0.02//EN" "http://api.technorati.com/dtd/tapi-002.xml">
<tapi version="1.0">
<document>
<result>
<url>http://pixelated-dreams.com</url>
<weblog>
<name>Pixelated Dreams</name>
<url>http://pixelated-dreams.com</url>
<author>
<username>DShafik</username>
<firstname>Davey</firstname>
<lastname>Shafik</lastname>
</author>
<rssurl>http://pixelated-dreams.com/feeds/index.rss2</rssurl>
<atomurl>http://pixelated-dreams.com/feeds/atom.xml</atomurl>
<inboundblogs>44</inboundblogs>
<inboundlinks>218</inboundlinks>
<lastupdate>2006-04-26 04:36:36 GMT</lastupdate>
<rank>60635</rank>
</weblog>
<inboundblogs>44</inboundblogs>
<inboundlinks>218</inboundlinks>
</result>
</document>
</tapi>
ここで、firstname や
lastname といったプロパティにアクセスすることができます。
これらはトップレベル要素ではありませんが、
名前を指定するだけで自動的に取得することができます。
![]() |
複数の要素 |
|---|---|
名前でアクセスしているときにもし複数の項目が見つかったら、 SimpleXMLElements の配列を返します。メソッド記法でアクセスすると、 PHP の値の配列を返します。 |
Zend_Rest_Server ベースのサービスにリクエストを送るのではない場合は、
リクエストの際に複数の引数を指定する必要があります。
これを行うには、引数名と同じ名前のメソッドをコールし、
その最初の (そして唯一の) 引数として値を指定します。
これらのメソッドコールはそのオブジェクト自身を返すので、
メソッドを連結する "流暢な" 形式で使用できます。
最初のコール (あるいは複数の引数を指定した場合の最初の引数)
は常に、Zend_Rest_Server
サービスをコールする際のメソッドとみなされます。
例 26.5. リクエストの引数の設定
<?php
$client = new Zend_Rest_Client('http://example.org/rest');
$client->arg('value1');
$client->arg2('value2');
$client->get();
// あるいは
$client->arg('value1')->arg2('value2')->get();
?>
上の例の二通りの方法はいずれも、次のような get 引数となります。
?method=arg&arg1=value1&arg=value1&arg2=value2
最初の $client->arg('value1'); のコールが
method=arg&arg1=value1 および arg=value1
の二通りの結果となることにお気づきでしょう。これによって、
Zend_Rest_Server がリクエストを適切に理解できるようになるのです。
そのサービスを使用するにあたっての前提知識を必要としなくなります。
![]() |
Zend_Rest_Client の厳格性 |
|---|---|
受け取る引数について厳格な REST サービスでは、
|