リクエストオブジェクト: getRequest() を使用してリクエストオブジェクトを取得し、 それを用いてアクションをコールします。

レスポンスオブジェクト: getResponse() を使用して、最終的なレスポンスの内容を取得します。 典型的な使用法は、このようになります。

$this->getResponse()->setHeader('Content-Type', 'text/xml');
$this->getResponse()->appendBody($content);

起動時引数: フロントコントローラは、パラメータを ルータやディスパッチャそしてアクションコントローラに送ります。 これらのパラメータを取得するには、 getInvokeArg($key) を使用します。あるいは、 すべてのパラメータを取得するには getInvokeArgs() を使用します。

リクエストパラメータ: リクエストオブジェクトは、_GET や _POST のようなリクエストパラメータのほかに URL のパスで指定したパラメータも収集します。 これらを取得するには、_getParam($key) あるいは _getAllParams() を使用します。 _setParam() を使用して、リクエストパラメータを設定することもできます。 これは、さらに別のアクションに転送する際などに有用です。

パラメータが存在するかどうかを調べる (条件分岐の際に使用します) には、 _hasParam($key) を使用します。

_forward($action, $controller = null, $module = null, array $params = null): 別のアクションを実行します。preDispatch() の中でコールすると、 リクエストされていたアクションは飛ばされ、 新しいアクションを実行します。それ以外の場合は、 現在のアクションの処理を済ませた後で _forward() で指定したアクションを実行します。

_redirect($url, array $options = array()): 別の場所にリダイレクトします。このメソッドには、URL のほかに任意でオプション群を指定します。 デフォルトでは、HTTP 302 リダイレクトを行います。

オプションは、以下のうちのひとつあるいは複数の組み合わせとなります。

render($action = null, $name = null, $noController = false): ビュースクリプトをレンダリングします。 引数を省略した場合は、[コントローラ名]/[アクション名].phtml (.phtml はプロパティ $viewSuffix の値です) が要求されたものとみなします。 $action の値を指定すると、 [controller] サブディレクトリ内のテンプレートをレンダリングします。 [controller] サブディレクトリを無視させるには、 $noController に true を渡します。 最後にひとつ。レンダリングされたテンプレートは、レスポンスオブジェクトに出力されます。 もしレスポンスオブジェクト内の特定の部分に出力したい場合は、その値を $name に渡してください。

例を見てみましょう。

<?php
class MyController extends Zend_Controller_Action
{
    public function fooAction()
    {
        // my/foo.phtml を出力します
        $this->render();

        // my/bar.phtml を出力します
        $this->render('bar');

        // baz.phtml を出力します
        $this->render('baz', null, true);

        // foo/login.phtml を、レスポンスオブジェクトの 'form' 部に出力します
        $this->render('login', 'form');
        
        // site.phtml を、レスポンスオブジェクトの 'page' 部に出力します
        $this->render('site', 'page', true);
    }
}

initView(): ビューオブジェクトを初期化します。 render() は initView() をコールしてビューオブジェクトを取得しますが、 この初期化はいつでも行うことができます。デフォルトでは、 プロパティ $view を作成します。 デフォルトで使用するのは Zend_View ですが、 Zend_View_Interface を実装したクラスならなんでも使用可能です。

デフォルトの実装は、次のようなディレクトリ構造を想定しています。

applicationOrModule/
    controllers/
        IndexController.php
    views/
        scripts/
            index/
                index.phtml
        helpers/
        filters/

言い換えると、ビュースクリプトが views/scripts/ の配下にあること、そして views ディレクトリが controllers ディレクトリと同一階層にあることを想定しているということです。

変数の代入やフィルタの登録が必要になった場合などに、 initView() を init() あるいはアクションメソッドからコールします。たとえば次のようになります。

<?php
class MyController extends Zend_Controller_Action
{
    public function init()
    {
        // ビューオブジェクトをすぐに初期化します
        $this->initView();
    }

    public function fooAction()
    {
        // いくつかの変数を初期化します
        $this->view->foo = 'bar';
        $this->view->bar = 'baz';

        // ビューをレンダリングします。変数 'foo' および 'bar' には値が代入されています
        $this->render();
    }
}

class FooController extends Zend_Controller_Action
{
    public function barAction()
    {
        // アクション単位でビューを初期化します
        $view = $this->initView();

        // いくつかの変数を初期化します
        $view->foo = 'bar';
        $view->bar = 'baz';

        // ビューをレンダリングします。変数 'foo' および 'bar' には値が代入されています
        $this->render();
    }
}

getViewScript($action = null, $noController = false): ビュースクリプトのパスを取得します。 主に render() から使用しますが、 ビュースクリプトのパスを取得したい場面ではいつでも使用できます。 あるいは、このメソッドをオーバーライドすることで、 コントローラがビュースクリプトのパスを決定する方法を変更することもできます。

上の render() で詳しく説明したように、デフォルトの機能は [コントローラ名]/[アクション名].phtml というビュースクリプトを探すというものです。 $action を指定すると、ビュースクリプトのファイル名をオーバーライドします。 また $noController に true を渡すと controller サブディレクトリを探さないようにします。 プロパティ $viewSuffix をオーバーライドして、 ファイルの拡張子 (デフォルトは .phtml) を変更することもできます。

このメソッドをオーバーライドすることで、 ビュースクリプトの名前とパスを決定する機能を変更できます。