Zend_Cache には、3 つのポイントがあります。まず最初は一意な ID (文字列) で、
これによってキャッシュレコードを識別します。二番目は、例に含まれる
'lifetime' ディレクティブです。これは、キャッシュされたリソースの
「賞味期限」を定義するものです。三番目のポイントとなるのが条件付きの実行処理で、
不要なコードを完全に読み飛ばすことで処理速度を向上させることになります。
フロントエンドの主となる関数 (例えば Zend_Cache_Core::get())
は、キャッシュがヒットしなかった場合には常に false を返すよう設計されています。
そのため、キャッシュしたい (そして読み飛ばしたい) 部分を
if(){ ... } 文で囲む際に、条件式として Zend_Cache
のメソッド自身を使用できるようになっています。
このブロックの最後では、出力内容を
(例えば Zend_Cache_Core::save() などで)
保存する必要があります。
![]() |
注意 |
|---|---|
条件付きの実行処理を必ず記述しなければならないわけではありません。
フロントエンドの種類によっては (例えば |
![]() |
注意 |
|---|---|
'Cache hit (キャッシュにヒットした)' とは、キャッシュレコードが見つかり、 かつそのレコードが 'fresh (新鮮)' (言い換えると、まだ有効期限が切れていない) 状態であることを表す言葉です。'Cache miss (キャッシュが見つからなかった)' はその正反対です。キャッシュが見つからなかった場合は、 データを (通常どおりに) 作成し、それをキャッシュしなければなりません。 一方、キャッシュにヒットした場合は、 バックエンドが自動的にキャッシュレコードを取得してくれます。 |
使用可能な Zend_Cache フロントエンドのインスタンスを作成する方法を、
以下の例で示します。
<?php
# Zend_Cache ファクトリを読み込みます
require 'Zend/Cache.php';
# バックエンドを選びます (例えば 'File' や 'Sqlite'...)
$backendName = '[...]';
# フロントエンドを選びます (例えば 'Core'、'Output'、'Page'...)
$frontendName = '[...]';
# 選択したフロントエンド用のオプションを配列に設定します
$frontendOptions = array([...]);
# 選択したバックエンド用のオプションを配列に設定します
$backendOptions = array([...]);
# インスタンスを作成します
# (もちろん、最後の 2 つの引数は必須ではありません)
$cache = Zend_Cache::factory($frontendName, $backendName, $frontendOptions, $backendOptions);
?>
これ以降のドキュメントでは、$cache
の中身が有効なフロントエンドになっているものとします。また、
選択したバックエンドにパラメータを渡す方法は理解できているものとします。
![]() |
注意 |
|---|---|
常に |
タグは、キャッシュレコードを分類するための仕組みです。
save() メソッドでキャッシュを保存する際に、
適用するタグを配列で指定することができます。これを使用すると、
指定したタグが設定されているキャッシュレコードのみを削除するといったことが可能となります。
<?php
$cache->save($huge_data, 'myUniqueID', array('tagA', 'tagB', 'tagC'));
?>
![]() |
注意 |
|---|---|
|
特定のキャッシュ ID を削除/無効化するには、remove()
メソッドを使用します。
<?php
$cache->remove('削除するID');
?>
一回の操作で複数のキャッシュ ID を削除/無効化するには、clean()
メソッドを使用します。例えば、すべてのキャッシュレコードを削除するには次のようにします。
<?php
// すべてのレコードを削除します
$cache->clean(Zend_Cache::CLEANING_MODE_ALL);
// 有効期限切れのレコードのみ削除します
$cache->clean(Zend_Cache::CLEANING_MODE_OLD);
?>
タグ 'tagA' および 'tagC' に該当するキャッシュエントリを削除するには、このようにします。
<?php
$cache->clean(Zend_Cache::CLEANING_MODE_MATCHING_TAG, array('tagA', 'tagC'));
?>
削除モードとして指定可能な値は CLEANING_MODE_ALL、CLEANING_MODE_OLD、
CLEANING_MODE_MATCHING_TAG および CLEANING_MODE_NOT_MATCHING_TAG
です。後者は値は、その名が示すとおり、タグの配列と組み合わせて使用します。